スマホ動画で陸上フォーム分析する時代 — Sprintalyze の使い方
カテゴリ: プロダクトガイド | 公開予定日: 2026-04-17 | 著者: Sprintalyze編集部
数年前まで、100m走のフォーム分析は「高速度カメラ + 専門技術者 + 数時間の作業」が必要な領域でした。大学の研究室レベルでしか実施できず、一般選手が自分のフォームを数値で知る手段はほぼ皆無でした。
しかし今は、スマートフォンのカメラ1台 と AI解析があれば、区間速度・ピッチ・ストライドを自動で得られる時代です。本記事では Sprintalyze の使い方を、撮影のコツから結果の読み方まで解説します。
準備するもの
- スマートフォン (iPhoneでもAndroidでも可)
- 分析したい走りの動画 (YouTube URLでもOK)
- Sprintalyze アカウント (Google ログインで30秒)
専用機材・コーチ・専門知識は一切不要です。
動画の撮り方 — 精度を上げる5つのコツ
コツ1: 撮影位置はスタンド中央
公認競技場のメインスタンドから、100mのレーンが斜め下に見える位置がベスト。具体的には フィニッシュライン延長線上のスタンド4〜8列目 が推奨です。
理由:
- 全区間が画角に収まる
- レーン線がホモグラフィ補正の基準になる
- 選手の全身が映りやすい
コツ2: 固定撮影が原則
スマホ三脚(数千円)を使い、手ブレを防ぎます。パンニング(カメラを振る)は精度が落ちるので避けてください。
コツ3: 解像度はFHD (1920×1080)以上
4Kで撮れる場合は4K推奨ですが、FHDでも十分です。それ以下だと選手の骨格抽出精度が下がります。
コツ4: 30fps以上
標準的なスマホ(iPhone/Galaxy)はデフォルト30fpsです。スローモード(120fps/240fps)で撮影できる場合、ピッチ検出の精度が上がります。ただしファイルサイズが大きくなるので、30fpsでも十分実用レベルです。
コツ5: 陽の位置に注意
逆光・強い影は骨格抽出の精度を落とします。曇天または順光で撮影してください。
Sprintalyze の使い方
ステップ1: アカウント登録(30秒)
- https://sprintalyze.jp にアクセス
- 「無料で始める」をクリック
- Google アカウントでログイン(メール認証不要)
ステップ2: 動画アップロード(30秒〜2分)
3つの方法があります。
方法A: YouTube URL入力
試合や大会の公開動画を分析したい場合に便利です。URLをコピー&ペーストするだけ。
方法B: ファイルアップロード
スマホで撮影した動画をドラッグ&ドロップ。最大500MBまで。
方法C: スマホから直接アップロード(Phase 2以降)
モバイルアプリ版リリース後は撮影→即アップロードが可能になります。
ステップ3: 競技場・レーンを指定
- 競技場: 全国主要競技場から選択(★精度保証 / △参考値のラベル付)
- レーン: 1〜9レーン
ステップ4: 分析結果を確認(2〜5分で完了)
以下が自動生成されます。
- 区間速度グラフ: 10m区間ごとの速度推移
- 平均ピッチ: 歩/秒(steps/秒)
- 平均ストライド: メートル単位
- 骨格オーバーレイ: 代表フレームの骨格可視化(有料プラン)
- PDFレポート: 詳細分析データ(有料プラン)
分析結果の読み方
区間速度グラフの見方
横軸が区間(0-10m、10-20m...90-100m)、縦軸が速度(m/s)のグラフが表示されます。
理想形:
速度
^
| ____________ ← 50-80m で最高速を維持
| / \
| / \_ ← 最後もあまり減速しない
| /
|___/_________________> 区間
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100m
失速型の例:
速度
^
| _____ ← 40-60m で最高速
| / \
| / \___ ← 80m以降で大幅減速
| / \___
|__/_________________> 区間
区間速度グラフを見るだけで、どの区間で失速しているか が一目瞭然です。
ピッチ・ストライドの評価
結果画面では、身長に対する適正範囲との比較も表示されます(プロフィールで身長を入力した場合)。
「あなたのピッチは平均 4.35 歩/秒 です。身長175cmの適正範囲(4.7〜5.0 歩/秒)を下回っています。ピッチ型の練習を優先すると改善余地があります」
といった具合に、具体的な改善方向 が示されます。
よくある質問
Q. 撮影角度は真横からでないとダメ?
A. 推奨は真横ですが、Sprintalyze は斜め方向からの撮影にも対応しています。レーン線さえ映っていれば、ホモグラフィ変換で自動補正します。
Q. 他の選手と重なって映っている場合は?
A. v1.0.0 では推奨対象選手のレーン番号を指定いただきます。将来的には自動追跡機能を追加予定です。
Q. 分析結果が実際のタイムと違う場合は?
A. 「△参考値」ラベルの競技場では精度保証外となっています。「★精度保証」ラベル付きの競技場(現時点ではヤンマースタジアム長居・国立競技場)では、±0.1秒以内の精度を目指しています。
Q. 練習動画でも分析できる?
A. 可能ですが、公認競技場のレーン線が映っていないと精度が落ちます。記録会や試合動画を推奨します。
まとめ
- 特別な機材なしでスマホ1台からフォーム分析が可能
- YouTube URL・ファイルアップロード両対応
- 撮影位置・固定撮影・解像度・fpsの5つのコツを守れば精度が上がる
- 区間速度グラフで失速箇所が一目瞭然
- 無料プランで月2本までお試しいただけます
今後の更新予定
- モバイルアプリ版リリース(Phase 2)
- フォーム改善提案AI(有料プラン向け・Phase 2)
- チーム機能・コーチアカウント(Phase 3)